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光触媒標準研究法

大谷文章(北海道大学・触媒化学研究センター・教授)
東京図書
2005年1月25日発行
本体価格4,200円(税込み4,410円)

ISBN4-489-00697-7 C3043

 
このページは 2005年10月12日最終更新

《 帯のキャッチ 》

研究に役立つ基礎知識と実験技術が一冊に

原理や基礎知識と著者の経験に基づく
実験技術を総合的に整理.専門用語の専門用語の定義や
その使い方にも細心の注意を払い,
理解を深めるために図版も工夫した.
光触媒の研究者以外ても、なるほど!と思う話題がいっぱい.


 

  光触媒はいま注目をあつめている分野です.一昨年にその原理やしくみを解説した「光触媒のしくみがわかる本」(技術評論社・ 2003 )を上梓しました.光触媒の原理というのは,じつはとても簡単で,『光触媒という固体に光があたったときに起こる化学反応』,これだけです.もちろん,こまかいことを言えば(光触媒の研究者が失業しないことからもわかるように)いくらでもありますし,すでに実用化されている製品などもふくめてくわしく解説したぶ厚い専門書もたくさん出版されています.しかし,その原理を知り,専門書や論文を読めば光触媒の研究ができるかというと,そういうわけではありません.その理由はいろいろありますが,いちばん大きな点は,光触媒化学という分野がきわめてひろい範囲の学問分野(おもに化学ですが)の境界領域にあることです(そのために,光触媒の研究に関するハンドブックが出版されていません).触媒化学や電気化学,光化学,あるいは表面科学など,光触媒に関連のある学問分野では,それぞれの独自の研究法がながい歴史の中でかたちづくられてきました.しかし,それぞれの立場からでは境界領域にある光触媒の全体像をつかむことができません.光触媒には光触媒研究法が必要,これがこの本を書こうと考えた動機のひとつです.これといった「根」つまり得意な専門をもたない著者が,たくさんの先生に教えてもらったそれぞれの研究分野のエッセンスとディテールを書きました.その範囲は,化学のほぼ全領域にわたるといっていいかも知れません.その意味で,光触媒だけにかぎらず,化学の研究をはじめようとしている人には,すこしは役にたつ本ではないかと思います.

 
  さいしょは 400 ページくらいの予定でしたが, 500 ページをこえてしまいました(前付けと索引をふくめると 520 ページ).「些細なことは省略するか,べつの本などを引用」するのがふつうですが,この本はちがっています.実験科学の研究法の中心になるのは,測定・観察とそこからえられたデータの解析です.個々の測定・観察法についてはたくさんの解説書がでています.よく読むとデータの解析法も書いてあり,『この式にデータを代入すると結果がえられる』というような表現によく出くわします.この本では,なぜその式が導かれたのかに力点をおきました.正確にいうと,それを書くためにあらためて勉強しなおしました.その結果,おどろくほどたくさんの誤りを見つけました.また,さいしょの論文でしめされた式の適用条件が,本の中での引用がくりかえされているうちに,すっぽりと欠落していた,ということも発見しました.解説書や論文での引用文献がまちがっていたというのもしばしばでした.そのたびに筆がとまり,図書館でふるい本や文献をしらべなおす,ということを何度もくりかえましています.締切を半年すぎてようやく脱稿というときに,カバーのデザインを考えました.すぐに思いうかんだのが義兄の版画「けんきゅう あらいぐまげん」(詩:くどうなおこ・画:ほてはまたかし・「版画のはらうた II 」童話屋・ 1996 )です.げんは,小石をあらって『もんくあっか』と言われます.この本についても『そんなこまかいこと調べて何になるの』と言われそうですが,こう答えようとおもっています.『ぼくはけんきゅうねっしんだ』   【著者の弁】  
 
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