触媒化学のフロンティア(第13回/2017年7月21日)感想/質問/回答《27人出席・21人メール送信》
《カノープス》 曖昧じゃない言葉で表すという科学の本質がわっかたような気がします.(はい,そしてつぎは実践です.) ▼教授は,講義内で「物質は,結晶型と粒子径と比表面積が等しければ同じと言ってよいが,同じことを当てはめれば,大谷教授とMr.スティーブ・ジョブズは同一人物と言ってもよい」というようなことを仰っていました.しかし,結晶型にあたる要素が顔の骨格だとすると,お二人は同一人物にはならないのではないのでしょうか. ▲それだと,「わたしとスティーブ=ジョブズが同一人物である」というのとおなじですといいました.「結晶型と粒子径,比表面積」だけで「おなじ/にている/ちがう」を判断することはできません.
《茶色のくま》 逆二重励起光音響分光法の話が難しかったです.(...まぁもともとそんな簡単なはなしではありません.)
《ヒラヒラ》 スティーブジョブズとの比較の例えなど,イメージしやすいキャッチーな例えなどのおかげで触媒に対して馴染みやすく,楽しかった.(そして,「ヒラヒラ」さんはなにか得たものがありますか.)
《はし》 科学の本質について詳しく考えたことがなかったので,ことばで表そうとするという考え方は新鮮だった.真理はブラックボックスで,刺激を与えてその応答を観測して法則性を見つけるという手探りで見つけるという作業には途方もない努力が必要だと感じた.uniqueについて,スティーブジョブズと教授の写真を比べて,同一人物ではないという決定的な証拠を挙げることができなかったので,おもしろかった.実際にDNAや指紋などを調べないと,identifyができないことがわかった.物質における固体がまさにその例と一緒で,名前や試薬瓶のラベルが同じでも,中身が同一ではないことがあるということに驚いた.不均一触媒の反応は固体の表面で起こるのに,その表面が各個体によって違うのは問題だと思うので,各個体に名前を付けることができるようになるのは,やはり触媒を設計する上で大事なことなのだと感じた.ERDT/CBBパターンからどれだけの恩恵が受けることができるのか気になった.恩恵がなくても,ことばであらわすことができるようになるのは大きなことだと思った.将来,研究職を目指しているので,見た目や名前などで判断せず自分で確かめるような考え方を養っていきたいと思った.(「ことばで表そうとする」ではなくて,「ことばで表す」ことが科学です.また,「途方もない努力が必要」であってもそれ以外にはやり方はないということです.)
《Gaku》 最初のほうは科学というよりは価格の意味や英語の意味などだったので何が関係あるのかわからなかった.しかし,物質の決定するうえで言葉にすることはとても大事であるというよりそれが決定するということであることを知ることができた.これまでは名前だけでその物質だと勝手に思っていたがその中にも反応を示すものが入っていることは考えていなかった.またその決定を行う上で紹介された金属の熱による膨張や収縮を利用して振動させることで音を発生させるという方法はとても面白いと思った.(光音響分光法は,ふるくから知られているすぐれたテクノロジーです.)
《ひなっち》 ユニークさ,すなわち「唯一さ」から個の特定方法についての講義の中であった,科学とは「曖昧ではない言葉で記述する」ものであるということという点で驚いた.これまで自分は,科学とは事象を観察して記述するものであると考えていたため,「曖昧」という概念がここで現れたのは,確かにそうであるな,と納得することができた. 抽象的,曖昧であることは柔軟性があることでもあるが,確かな言葉で疑問が入り込む余地のないよう正確性も分野によっては必要であり,先生が仰っていたように,それは科学の分野だけではないと改めて考えされられる講義であった. この点で,この講義から自分は,対峙する事象(自然現象に限らず,学問や社会的問題などあらゆる物事)を,その性質から個別具体的に考察して,曖昧さを残した方がいいのか,正確に確かな言葉で表した方がいいのかを選び取ることを認識することが重要であるということを学んだ.(その「観察して記録する」というのが,「ことば」にするということです.ことばを大切にしてください.)
《北大太郎》 科学はことばであらわすことである,というのは,最初は何のことを言っているのかよく分かりませんでした.講義の中で,メールアドレスはユニークであること,人間のユニークな要素,物質のユニークな名前について考え,「ことばであらわす」ということの意味が少しわかったような気がします.(そのうち実感します.科学でなくても「ことば」は大切です.)
《金剛力士像》 この講義では,物質の同定は奥が深いということがよくわかりました.そして,その同定された物質にユニークな名前をつけるのも,科学の中で重要な作業だということもわかりました.物質の同定は物質の指紋を見つける作業で,そのために考えられた様々な方法は,どれも物質に対して何らかの刺激を与えてその応答を見ることである,ということが講義では述べられていました.その方法の中でも,光音響分光法以降のものは初めて聞くもので,まだまだ自分の知らない方法はたくさんあって,そのための方法を考えている人も山ほどいるんだろうなと感じました.また,大変長い物質の名前が紹介されていて目がチカチカしましたが,この文字列を伝えると世界共通で何の物質かわかるようになる,というのは素晴らしいシステムだと思いました.そして,科学=曖昧じゃない+言葉で表すということが,知識を共有して使って行く上で必要で,みんなに正確に伝わるということが科学であるのだな,と思いました.全体を通して,普段の授業にはあまり無いような切り口の話で興味をもつことができました.講義に対する意見としては,20番目のスライドの一番右の人の名前が忘れてられていて可哀想なので,きちんと覚えた方が良いと思いました.(ど忘れしていたのは「梅澤大樹准教授(大学院地球環境科学研究院)」でした.) ▼安いホワイトチョコレートは酸化チタンで白くしているという話がありましたが,本当に毒性は無いのですか. ▲毒性はアナログ量なので,ゼロということをしめすことは困難です.実際には,これまで酸化チタンが原因である事故はないようで,厚生労働省がさだめる食品添加物として認められています.
《≠》 「unambiguous 『はっきりしない』≠clear はっきり」と言われたときは,どういうことだろうと思ったが,講義を聞いていく中でその意味が分かったように思う.真理に近づいても真理を特定できないというのは納得できる考えであり,将来,研究をしていく中でもこの考えを忘れないようにしようと思った.(「unambiguous」は「あいまいじゃない」です.べつに研究だけにかぎりません.いつでも忘れないでください,ぜひ.)
《は》 今回の講義では,定義がいかに大切でかつ厳密である必要があるかについて深く考えさせられた.また光音響分光で物質の同定をすることが出来るということも初めて知って驚いた.しかし一番難しいのは人間における「わたし」の定義だと思った.なぜなら,そもそも「自分」という認識の範囲が曖昧だからである(EX:今抜け落ちた髪の毛一本は自分といえるのか).このような一見非科学的問題ともとれるものを,どれだけ科学化できるのかということにとても興味を持った.(基本的に非科学的なものはありません.) ▼酸化チタンの入ったホワイトチョコは安全なんですか. ▲《これはよくある質問です》 毒性はアナログ量なので,ゼロということをしめすことは困難です.実際には,これまで酸化チタンが原因である事故はないようで,厚生労働省がさだめる食品添加物として認められています.
《toy》 ユニークなものをunambiguousnessでtextするというのが科学だという発想がとても面白かったです.そして,同じ物質の中にも違いがあるという風に考えたこともなかったのでとても新鮮でした.(その「おなじ」かどうかを考えようということです.)
《aiueo》 科学の定義について英単語を交えて知ることができて為になった.また,酸化チタンなどの金属酸化物の構造を同定することが,触媒の世界ではとても重要だということが分かった.電子トラップ密度のエネルギー分布を「指紋」とするのはいい例えだと感じた.(はい,とても重要なのですが,ほとんど(われわれの研究室以外では)だれも「金属酸化物粉末を同定できる」とはおもっていません.) ▼先生とスティーブ・ジョブズが似ているのは偶然ですか. ▲すくなくとも必然ではないと思いますので,やはり偶然です.
《だるま》 前半は分かりやすかったですが,後半から理解が難しくなりました.無機物質の同定が想像以上に難しいことに驚きました.有機物質の方が種類がたくさんあって同定しづらいのではないか,と思っていたので意外でした.(「有機化合物の方が種類がある」というのは,それぞれが同定されて「異なるもの」であることがわかっているということで,じつは無機化合物の方がほんとうは種類があるけれども,それぞれが同定されていないので,種類が少ないように信じているということです.) ▼無機物質の結晶の差で反応にどれほどの違いが出るものなのですか. ▲どれほど...場合によりますが,構造がちがうのに反応性がほとんどおなじだとすると,それは偶然ということです.
《梨》 講義の最初のほうは,テーマの触媒のことに関する内容が少なくむしろ何の講義がわかりませんでしたが,指紋の話から触媒の話へとつながり,具体的な例を出しながらの講義だったのでわかりやすく,また前半の導入部分が個人的には面白かったので内容を楽しく聞くことができました.普段のこの授業は途中からあまりにも専門的過ぎてついていけないことがあったのですが,今回の授業はあまり奥まで突っ込まないような内容だったので他の授業より理解しやすかったです.(はい,ほんとうの研究のはなしをすると,専門家でもむずかしいので,ほんの「さわり」を話しました.)
《8え将》 私は始めこの授業は触媒と関係あるのだろうかと思っていました.しかし授業を受けていきますと科学とはとある事象を文にできることと可能な限りはっきりさせることは重要であることがわかりました.さらに英単語を用いた科学の必要な要素の説明は理解をより深めて,その物質がその物質であることを示すために画像を用いた比較は面白く,最後には触媒と関係したことについて言及して先生が何を伝えたかったのかを理解できたと思います.(はい,だいたいそんなところです.)
《wy》 自然科学の研究者のするべきことが漠然とだが分かった.大谷先生の講義なので光触媒についてお話しいただけると思っていたため当てが外れた気分ではあったが,開発された新しい同定方法についても「曖昧でなくする」ことの一つとして面白いものであった.(その漠然とわかったことを実行にうつすにはどうするかを考えてください.つまり「ことば」にするということです.)
《KEN》 今回の講義では今までどんな講義でも習ってこなかった前半の真理の追究方法などが自分にとってとても新鮮で,目新しかった.だが,今まで習ったことがなかった分先生の授業中の質問があいまい過ぎて何を答えていいのか分からないことがあった.(何をこたえればいいのか,を考えることもだいじです.)
《R.H.K》 触媒化学のフロンティアでは,いつもはただ椅子に座って聞いてるだけだったり,また,化学に関する専門的な内容が多く,講義の内容がよく理解できないまま帰る,というのが結構ありました.しかし,今回の講義は,特に前半部分に関して,生徒に質問を提示してくださったので,講義に参加しているという感覚が比較的強かったように思います.また,講義を経て,「科学」に対する考え方も,少し広がったと感じます.ただ,正直に言うと後半部分の酸化チタン(?)の内容はよく理解できませんでした.(そう,知識ではなくて,考え方を理解してもらえばじゅうぶんです.)
《あべじゅ》 固体無機物の名称をつけるのが困難というのを聞いて,他の教授の授業の時も酸化物担体としての二酸化チタンを数字で区別していたけれど結局同じTiO2だったので興味に惹かれました.(そう,酸化チタン(IV)(=TiO2)というだけではなにもわかりません.いや,わからないはずなんですが,同定する方法がなかったので無視していたのが現状です.)
《yamak》 物質のが同一であるかを決めるには,3つ同じ要素があればよいというのには,驚きました.もっと多くのことを調べないと決まらないと思ってました.また,ユニークであれば,同じものしかできないと言うのは当たり前ですが,どれだけ長い化学名でも同じになるのには,すごいと思いました.後,最初の方の講義は,何の意味があるのかわからなかったけれど,それが後に繋がっていっていたので上手い講義だと個人的には,感じました.(「物質が同一であるかをきめるのに3つのおなじ要素があればいい」とはいっていません.粉末試料では,(1)バルク(内部)の構造,(2)バルクのサイズと(3)表面の構造の3つが最低限必要ということです.)
《提出遅れて申し訳ありません》 今までの授業とは全く違った切り口で授業が進められて行ったのでとても新鮮であった.全く眠くならないような授業であったと個人的には感じた.(そうですか...で,「提出遅れて申し訳ありません」さんがこの講義で得たものはなんですか.)