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これまでの質問と回答(75レコード)
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2017年4月26日の『藤岡』さんの質問「アンモニア分解に及ぼす酸化鉄の役割について」
表題にあるように、酸化鉄がアンモニア分解の触媒となる理由をご教示頂けないでしょうか。上記内容が掲載された文献の名前でも結構です。調査してみたのですが、明確な理由が得られなかったので、お伺いいたしました。お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答頂けますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
■回答■アンモニア合成反応は1分子のN2と3分子のH2から2分子のNH3を作る反応です。高校の教科書にあるように分子数が減少する反応ですので、高圧の時に平衡が合成側にシフトします。また、発熱反応ですので高温では合成が”平衡論的に”不利となります。例えば、工業的条件である400度、200気圧ではアンモニアの平衡転化率はおよそ40%であり、実際には平衡へ到達できず、20数%程度の収率でアンモニアが得られ、深冷分離の後、未反応ガスを再循環しています。逆に分解は低圧で有利であり、400度1気圧ではアンモニアの99.9%以上が平衡論的には分解して窒素と水素になります。400度であれば合成に利用する鉄触媒を分解に利用することが出来ます(触媒は正反応も逆反応も促進します)が、平衡の問題から反応条件特に圧力が全く異なる点に留意して下さい。鉄触媒の原料は酸化鉄ですが、触媒として働くためには還元状態、金属状態である必要があります。また、活性を高めるため、種々の助触媒(例、K2O)も添加されています。
2014年4月11日の『増井哲夫』さんの質問「廃タイヤ熱分解油化再生油の脱硫」
廃タイヤを熱分解油化すると、燃料油として利用できる再生油が約50%回収できるので、石油価格高騰に対応して、タイヤ油化のニーズが高まっている。当社は油化装置のメーカーとして、廃タイヤ5トン/日処理のプラントを提供しているが、廃タイヤに2〜3%含まれる硫黄が再生油に混入して、再生油の硫黄混入率は500ppmになっている。これを100ppm以下に脱硫したい。
石油の脱硫は水素化脱硫が実用化されているが、石油精製会社における大型設備であり、当方の2.5KL/日の小量処理にはそのままでは適用できない。又、水素化脱硫法をミニチュア化したのでは、コストが高くなるのではないかと推測する。
発想を変えて、熱分解ガス中の硫黄を吸着する触媒が有効ではないかと考える。熱分解槽におけるタイヤガス化の温度は450℃付近であり、硫黄の沸点と同等なので、熱分解ガスに硫黄の揮発成分が混合して、コンデンサに移送されて凝縮するため、再生油に硫黄が混入するとすれば、熱分解ガスの経路(熱分解槽とコンデンサの中間)に、硫黄吸着触媒を設置すると、硫黄の再生油混入が除去できるのではないか。
処理量100リットル/時間程度における再生油中の硫黄を除去するのに適した方法、又は、熱分解ガス中の硫黄を吸着する触媒に適するものがあるでしょうか。
■回答■廃タイヤ熱分解再生油中の硫黄はチオール、ジスルフィド、硫化水素、S8等元素状硫黄、硫黄酸化物などの形態で存在すると推定され、水素存在下で脱硫触媒を用いる、いわゆる水素化脱硫法を用いて容易に脱硫できると考えられます。しかし、ご指摘の通り処理規模が小さい場合には経費の面で適切ではないかもしれません。水素化脱硫以外での脱硫法として、吸着脱硫、溶媒抽出脱硫、酸化脱硫、バイオ脱硫などの方法が知られています。吸着脱硫では、有機硫黄化合物を選択的に吸着除去するため、その硫黄化合物の比較的高い極性を利用しアルミナやゼオライトなどが吸着剤として用いられます。表面修飾した、表面積の大きな活性炭なども有効かもしれません。吸着脱硫には、水素気流中で行う反応性吸着脱硫法も知られています。この場合、硫黄は吸着剤に金属硫化物の形で残り、硫化水素として除去される水素化脱硫とは異なります。反応性吸着脱硫では、Ni-ZnO系などが吸着剤として有効であることが知られており、脱硫後はNiSx-ZnSに変化します。溶媒抽出法では、硫黄化合物の極性を利用して選択的に抽出脱硫を行います。また、ガソリンや軽油のさらなる超深度脱硫技術として、最近注目されている酸化脱硫法では、アルキル置換ジベンゾチオフェンなどの難脱硫性有機硫黄化合物をH2O2や有機過酸などでスルフォンに触媒存在下で酸化し、硫黄化合物の極性をさらに高め、引き続く吸着脱硫、溶媒抽出脱硫プロセスの選択性を大きく向上させることができる利点があります。さらに有機硫黄化合物を”食物”とするバクテリアを用いたバイオ脱硫も、グリーンプロセスとして最近注目されています。廃タイヤ熱分解再生油へのこれらの脱硫法の適用は、経済性、環境への影響等を顧慮した上で、検討する必要があると考えられます。
2014年4月8日の『宇佐見達行』さんの質問「熱触媒とはなに」
紫外線ランプの製造販売を行っております。紫外線と光触媒の組み合わせはよくありますが、その他に熱触媒があると聞きました。NETで調べても項目は出てくるのですが、内容が分かりません。
熱触媒とはどのようなものか、何と反応するものか、また効果は光触媒と同等と考えて良いのでしょうか?
宜しくお願いいたします。
■回答■化学反応は,反応する化合物がある一定以上のエネルギーを得ることによって進行します.通常の反応は熱エネルギーを得て(温度を上げると)進行します.光のエネルギーを得て進行する反応を光反応と言います.触媒が存在すると,より小さいエネルギーをもらうことによって,反応が進行します.
熱触媒とは通常の触媒のことです.光触媒反応は,反応する化合物,あるいは触媒が,光のエネルギーを吸収して,反応性の高い状態になり,反応が開始されますが,通常の触媒反応は,熱エネルギーが反応を開始する原動力となります.光触媒作用をする物質を光触媒と呼びますが,熱エネルギーを原動力として触媒作用をする物質は,通常,“熱”をつけずに“触媒”と呼びます.