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これまでの質問と回答(73レコード)
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2014年4月11日の『増井哲夫』さんの質問「廃タイヤ熱分解油化再生油の脱硫」
廃タイヤを熱分解油化すると、燃料油として利用できる再生油が約50%回収できるので、石油価格高騰に対応して、タイヤ油化のニーズが高まっている。当社は油化装置のメーカーとして、廃タイヤ5トン/日処理のプラントを提供しているが、廃タイヤに2〜3%含まれる硫黄が再生油に混入して、再生油の硫黄混入率は500ppmになっている。これを100ppm以下に脱硫したい。
石油の脱硫は水素化脱硫が実用化されているが、石油精製会社における大型設備であり、当方の2.5KL/日の小量処理にはそのままでは適用できない。又、水素化脱硫法をミニチュア化したのでは、コストが高くなるのではないかと推測する。
発想を変えて、熱分解ガス中の硫黄を吸着する触媒が有効ではないかと考える。熱分解槽におけるタイヤガス化の温度は450℃付近であり、硫黄の沸点と同等なので、熱分解ガスに硫黄の揮発成分が混合して、コンデンサに移送されて凝縮するため、再生油に硫黄が混入するとすれば、熱分解ガスの経路(熱分解槽とコンデンサの中間)に、硫黄吸着触媒を設置すると、硫黄の再生油混入が除去できるのではないか。
処理量100リットル/時間程度における再生油中の硫黄を除去するのに適した方法、又は、熱分解ガス中の硫黄を吸着する触媒に適するものがあるでしょうか。
■回答■廃タイヤ熱分解再生油中の硫黄はチオール、ジスルフィド、硫化水素、S8等元素状硫黄、硫黄酸化物などの形態で存在すると推定され、水素存在下で脱硫触媒を用いる、いわゆる水素化脱硫法を用いて容易に脱硫できると考えられます。しかし、ご指摘の通り処理規模が小さい場合には経費の面で適切ではないかもしれません。水素化脱硫以外での脱硫法として、吸着脱硫、溶媒抽出脱硫、酸化脱硫、バイオ脱硫などの方法が知られています。吸着脱硫では、有機硫黄化合物を選択的に吸着除去するため、その硫黄化合物の比較的高い極性を利用しアルミナやゼオライトなどが吸着剤として用いられます。表面修飾した、表面積の大きな活性炭なども有効かもしれません。吸着脱硫には、水素気流中で行う反応性吸着脱硫法も知られています。この場合、硫黄は吸着剤に金属硫化物の形で残り、硫化水素として除去される水素化脱硫とは異なります。反応性吸着脱硫では、Ni-ZnO系などが吸着剤として有効であることが知られており、脱硫後はNiSx-ZnSに変化します。溶媒抽出法では、硫黄化合物の極性を利用して選択的に抽出脱硫を行います。また、ガソリンや軽油のさらなる超深度脱硫技術として、最近注目されている酸化脱硫法では、アルキル置換ジベンゾチオフェンなどの難脱硫性有機硫黄化合物をH2O2や有機過酸などでスルフォンに触媒存在下で酸化し、硫黄化合物の極性をさらに高め、引き続く吸着脱硫、溶媒抽出脱硫プロセスの選択性を大きく向上させることができる利点があります。さらに有機硫黄化合物を”食物”とするバクテリアを用いたバイオ脱硫も、グリーンプロセスとして最近注目されています。廃タイヤ熱分解再生油へのこれらの脱硫法の適用は、経済性、環境への影響等を顧慮した上で、検討する必要があると考えられます。
2014年4月8日の『宇佐見達行』さんの質問「熱触媒とはなに」
紫外線ランプの製造販売を行っております。紫外線と光触媒の組み合わせはよくありますが、その他に熱触媒があると聞きました。NETで調べても項目は出てくるのですが、内容が分かりません。
熱触媒とはどのようなものか、何と反応するものか、また効果は光触媒と同等と考えて良いのでしょうか?
宜しくお願いいたします。
■回答■化学反応は,反応する化合物がある一定以上のエネルギーを得ることによって進行します.通常の反応は熱エネルギーを得て(温度を上げると)進行します.光のエネルギーを得て進行する反応を光反応と言います.触媒が存在すると,より小さいエネルギーをもらうことによって,反応が進行します.
熱触媒とは通常の触媒のことです.光触媒反応は,反応する化合物,あるいは触媒が,光のエネルギーを吸収して,反応性の高い状態になり,反応が開始されますが,通常の触媒反応は,熱エネルギーが反応を開始する原動力となります.光触媒作用をする物質を光触媒と呼びますが,熱エネルギーを原動力として触媒作用をする物質は,通常,“熱”をつけずに“触媒”と呼びます.
2014年2月19日の『横山 清』さんの質問「白金触媒とIPA(イソプロピルアルコール)の発火点と」
白金粉末とバインダーの混合ペーストを扱う工程があり、工程終了後、IPA(イソプロピルアルコール)を使用しながら、残留ペーストを綿や紙で拭き取る作業があります。
 この作業で発生した白金含有屑を貴金属回収することを考えていますが、白金触媒によるIPAの発火、つまり、貴金属回収業者様に依頼する場合に発火しないかを懸念しています。
1)金粉末とIPAが混合されている場合のIPAの発火挙動に関する知見をお持ちではないでしょうか?たとえば、白金触媒が存在する場合のIPAの濃度と発火点(温度)の関係といったデーターおもちではないでしょうか?
2)工程で発生する白金含有屑を保管、移動する場合の安全な方法をご教授いただくことは可能でしょうか?
3)全くのの素人考えですが、白金含有屑を水に浸せば、とりあえず発火することはないと考えられますか?

■回答■白金粉末はどのくらいのサイズでしょうか?
いわゆる金属くずであれば発火の心配はありませんが. 白金が1ミクロン以下, 例えば白金ブラックや白金/アルミナ粉末のようなものであれば空気と可燃性物(IPA)が白金に接触すれば常温で容易に発火します。
お問い合わせの件は, 保管中や移送中に発火する恐れが十分あると思われます。大変危険です。発火させないようにするには空気を遮断するか, 可燃性物質と接触させないことです。水に含浸食させる方法はありますが, 水が乾いてしまうと有機物質と反応して着火します。実験室ではたとえば,
1) 白金ブラックを触媒に用いて触媒の濾過分離に時間が掛かるのでドラフトに入れたまま帰宅し
てしまい。夜中にろ紙が乾いてきて白金ブラックが空気と接触し有機溶媒を着火させ火災事故を興した例があります。
2) ろ紙に着いた白金触媒を白金回収ゴミ箱に入れておいたところ, 他の人が有機溶媒のついた
ろ紙を同じゴミ箱に入れてしまいゴミ箱が燃えたという事故例もあります。
白金微粒子と有機溶媒を絶対一緒にしてはいけません。
有機溶媒を取り除くことが大事です。そのうえで密閉したポリビンに入れて輸送してください。
有機溶媒がなければ発火しません。
水を多量に加え水の中に入れて輸送することはできますが, 回収業者は濾過などによる水と有機溶剤の除去を嫌がるもしれません。
量が少なければ溶媒の水置換またはドラフト内で焼却し灰化後, 回収業者に輸送する方法もあります。